
シンデレラはその美貌とナイスバディで、これまでに数多くの男性を籠絡してきました。
ある時シンデレラは、財産目当てにとある老石油王と結婚することにしました。バツイチだった石油王が実の娘よりも若いシンデレラと再婚するということで、マスコミは一斉に特集記事を組み、シンデレラは一躍パパラッチに追われる身となりました。そしてシンデレラの目論見どおり、その石油王は結婚後まもなく突然の心臓発作により急逝し(直前の健康診断では何も異常はなかったそうです。不思議ですね。でも運命ってそんなものです)、シンデレラは悲劇のヒロインとしてスポーツ新聞のトップを飾りました。
しかしここで、とんでもない誤算が彼女を待ち受けていました。
なんとその石油王、シンデレラに内緒でとある遺言書を残していたのです。
遺言書の内容はこうでした。
「私が死んだら、私の財産はすべて前妻との間に生まれた娘たちに譲り渡して欲しい」
ああ、なんということでしょう。左うちわの豪遊生活をただひたすら夢見て、それを心の支えにエロジジイとの新婚生活に耐えてきたシンデレラ。なのに彼女にはビタ一文も遺産が分配されないだなんて!(ちなみに彼女の国では、遺留分の制度はありません)
これで一躍勢いづいたのは、莫大な遺産を手にした娘たち。
彼女たちは、一文無しの未亡人となったシンデレラを札束で跪かせ、奴隷のようにこき使うようになっていきました。
それでもシンデレラはあきらめませんでした。首輪で裸エプロンという格好をさせられて、真性のレズビアンである娘たちのために舌奉仕を強要されるという屈辱の日々を過ごしながら、いつかセレブに成り返る日を信じて、ひっそりと復讐の牙を研ぎ続けました。
やがてシンデレラに、千載一遇のチャンスがやってきました。
以前から裏社交界ではその存在が噂されていた、この国の王子さまが城内で定期的に催している乱交パーティー。その開催日時を、シンデレラをいじめることに夢中になっていた娘が、言葉責めの間についうっかり、ぽろりと洩らしてしまったのです。
そして迎えたパーティーの夜。
娘たちは既にお城に出かけてしまい、シンデレラは口にボールギャグを咬まされ、拘束具に縛り付けられたまま家に取り残されていました。ですが問題ありません。シンデレラは体の関節を外して、縛めから脱出しました。身一つでここまでやってきた彼女のこと、これくらいの芸当は朝飯前です。
さて、早速お城に向かうことにしたシンデレラ。
途中で、パーティーの参加者と思しきSM嬢からエナメルレザー衣装とパピヨンマスクを強奪、もとい自由意志に基づいた純然たる好意による永久貸与してもらい、ドレスアップも万全です。
招待状を持っていない彼女は、闇社会で鍛え上げた暗殺術でお城の門番を無力化し、王子さまが主催する乱交パーティーに紛れ込むことに成功しました。
パーティー会場では既に乱交がはじまっており、数十名の男女が、入り混じってなんかもうぐっちゃんぐっちゃんのどろっどろになっていました。インディの企画もののAVのようなその光景は、まともな神経の人間ならとても直視に耐えないものでしたが、シンデレラは違いました。彼女は自分の中の何かが熱く疼くのを感じ、妖しく目を輝かせて、舌なめずりをしました。そう、獲物を狙う女豹のように。
しかし今は一時の肉欲に流されていい場面ではありません。シンデレラは気を取り直し、王子さまの姿を探しました。
王子さまは部屋の片隅で、しおれたままの陰茎を名も知らぬ女に咥えさせながら、気怠そうにワインをラッパ飲みしていました。その目はどんよりと濁り、目の前で繰り広げられる大勢の男女の痴態にも、何の感慨も抱いてはいないようでした。
よく見れば、その女は、いつもシンデレラをいじめている娘たちのひとりでした。しかし、彼女がどれだけ懸命に舌を使っても、王子さまのイチモツはピクリとも反応しません。
それもそのはず、なんと王子さまは、重度のインポテンツだったのです。今風に言うならEDです。日本語にすれば勃起不全です。
そう、この乱交パーティーは、王子さまが自らを大いに興奮させて、自尊心とラブライフを取り戻すためにはじめたものだったのです。
ですが、最初の数回は上手くいったこの計画も、すぐにマンネリ化してしまい、今ではもうなんの刺激も感じなくなってしまっていました。失意の王子さまはアルコールに溺れました。けれど、酒は寂しさを埋めてくれても、心の傷までは癒してくれません。
そんな王子さまの姿を見たシンデレラの中に、とある直感がひらめきました。
シンデレラはつかつかと王子さまに歩み寄り、その前に仁王立ちになりました。
王子さまの濁った目が、ぼんやりと彼女を、いいえ、彼女の大胆に開かれた股間を見上げました。
次の瞬間です。
なんとシンデレラは、そのまま王子さまの顔面に向かって、勢いよく放尿をはじめました。
一国の王子に対する信じられない暴挙に、快楽を貪ることに夢中になっていた乱パの客たちも、思わず腰の動きを止めました。
事の成り行きを見守るべく、その場にいたすべての人々が、固唾をのんで二人に視線を向けています。
すると、これまで何をしても一切勃起しなかった王子さまのオチンポスが、むくむくと膨らみはじめたではありませんか。
ああ、なんということでしょう。
衆人環視の中でシンデレラの聖水を顔いっぱいに浴びながら、王子さまはこれまで感じたことのない未知の興奮に、ぞくぞくを身体を震わせながら、うっとりと恍惚の表情を浮かべて酔いしれました。
反り返らんばかりに逞しくなった王子さまのそれを、シンデレラは足で押さえつけ、ぐりぐりと踏みにじりました。聖水でびしょ濡れになった王子さまの顔に、たまらない被虐の悦びが駆け抜けます。
王子さまがついにそのはしたないミルクをシンデレラのおみ足にこぼしてしまいそうになったその時に、事件は起こりました。
城内に忍び込む時に排除したはずの門番が、息を吹き返し、パーティー会場に飛び込んできたのです。
場内は騒然となりました。
それもそのはず、仮にも王子と同じ部屋の中で乱交を行う以上、参加者には厳重な身元調査が課せられていますし、仮面で顔を隠して参加している者たちの中には、事が公になれば致命的なことになりかねない、社会的地位のあるセレブも多く含まれています。だというのに、どこの馬の骨とも知れない者が混じっていたのでは、パーティーの秘密が漏洩してしまわないとも限りません。
シンデレラは小さく舌打ちしました。生死の境目から離れたぬるま湯の暮らしが長すぎて、門番にとどめを刺すのを躊躇してしまったのです。しかし、今はそれを悔いている場合ではありません。彼女は気持ちを切り替えて、まだ場内が混乱しているそのうちに、素早くお城から離脱しました。
そうしてまた、元のように義理の娘たちにいじめられる日々がはじまりました。
王子さまをその道に目覚めさせ、フェムドムとしてこの国に君臨するというシンデレラの野望は、あえなく潰えたかに思われました。
しかしながら、シンデレラがこじ開けた王子さまの背徳の扉は、当のシンデレラの予想すらも、遙かに大きく超えるものだったのです。
あの夜の鮮烈な興奮が忘れられなかった王子さまは、なんとかしてあの女性を見つけ出そうと、パーティーの参加者ひとりひとりに、こっそりとコンタクトをとりはじめました。
ですが、参加者の中に、求める女性はいませんでした。
招かれざる客こそが自分の求める女性だと気付いた王子さまは、とんでもない暴挙に出ました。なんと王子さまは、国じゅうにお触れを出して、あの時自分に放尿した女性を捜しはじめたのです。
それはもちろん、秘密だった乱交パーティーの存在を公にすることにも繋がります。身分を隠して参加していた政財界の大物が次々とスキャンダルで失権し、王子への批判も強まりました。ですが王子さまはめげません。軍部と手を結んで第二王子以下を粛正し、厳しい統制を敷いて独裁体制を作り上げました。
そうして、国じゅうのすべての女性と一人ずつ面会し、その尿をテイスティングするという荒ぶれた行動に出たのです。
毎日、これでもない、あれでもないと、ワイングラスに注がれた湯気のほかほかと昇るお小水を飲み比べ、王子さまは根気強くシンデレラのことを探し続けました。
やがてついに、王子さま一行は、シンデレラの家にもやってきました。
はじめに、娘たちの尿を味わいます。
ですが、王子さまの顔は渋いまま、黙って首を振るばかり。自分ではないと知りつつも、勘違いで選んではくれないかと密かに期待していた娘たちは、傍目にもわかるほどにがっくりと肩を落とし、心の中でこの変態クソ王子と悪態をつきました。
しかし肩を落としたのは王子さまも一緒です。今日もまた無駄な尿を飲んでしまったと、失意に沈みながらお城へと帰ろうとしたその時に、ふと王子さまは、この家にもう一人女性がいることに気がつきました。
そうです。シンデレラです。
王子さまは、シンデレラの尿も賞味してみたいと申し出ました。
娘たちは止めましたが、王子さまは頑として聞き入れません。ついには衛兵に命じ、娘たちを押さえつけ、シンデレラを引っ張り出しました。
そして王子さまが、シンデレラの尿を味わった時です。
黄金色の液体をひとくち口に含むやいなや、王子さまは感極まり、その場に深々と身を投げ出して、シンデレラへの永遠の服従を誓いました。
シンデレラは王子さまのドミナとしてお城に迎え入れられ、国じゅうのありとあらゆる富と権力が、彼女のものになりました。
そうして、今日もシンデレラのヒールにアヌスを刺し貫かれた王子さまは、うっとりと恍惚の笑みを浮かべて、目から喜びの涙を溢れさせています。シンデレラも邪悪な笑みを浮かべています。みんな笑顔で、本当に幸せそうです。
めでたしめでたし。