咲きゅんとセックスした

「ねえねえ、プロデューサー。ううん、今は、ご主人さまかな?」
 ベッドに並んで座ると、ふわりといい匂いがした。
 石けんとは違う匂いだ。
 シャワーを浴びてきた後に、香水でもつけたのかもしれない。そういえば、匂いには気を使っているのだと、以前聞かされたことがある。
「えへへ。こういうのはじめてだから、ちょっと緊張するね」
 咲は、いつものようにメイド服を着ていた。
 汚れたりするかもしれないから脱いだらどうか、とは言ったのだが、咲はこの格好がいいのだという。
 本人がそう言うのならば、こちらもそれ以上どうこう言う筋合いはない。
 咲は、ほんとうによくメイド姿が似合う。
 おれとしても、できればこの格好の咲を抱きたい、というのが素直な本音だった。
「でもでも、あたし嬉しいよ。ぷろでゅ……じゃなかった、ご主人さまと、こういうこと、したかったから」
 ややうつむき加減のまま、こちらの反応をうかがうようにちらりと視線をよこす。照れているらしい。咲のほっぺたは、かぁっと赤くなっていた。
 その初々しい様子がたまらなく可愛くて、思わず咲を抱きしめた。頭を撫でながら、おれもだよ、と耳元でささやく。
「あのあの、それ、ホント?」
 本当だよ、と言いながら顔をあげさせ、唇を重ねた。
「……んっ、ちゅっ、んふ……んん」
 緊張のためか、キスもいつもよりぎこちない。それでも、柔らかな唇を舌先でなぞり、その中へ割り込んで互いの舌を触れあわせていくうちに、強張っていた咲の身体から少しずつ力が抜けていくのが分かった。
「んむ……ぅ、ちゅっ……んぅ、ちゅくっ……くちゅる」
 舌と舌を絡ませながら、お互いの唾液を混ぜ合っていく。たっぷりと咲のそれを味わってから、ぷはぁ、と唇を離す。
 明かりを抑えた室内に、唾液で濡れ光る咲の唇が、ひどく扇情的に見えた。
 この薄桃色をした花びらのような唇に、いきり立った自分のものを咥えさせたい。思い切り口穴を犯し抜いて、たっぷりと喉奥に白い樹液を注ぎ込んでやりたい。そう思った。それが下劣な欲望だと知りながら、だからこそ興奮している自分がいる。
 咲、と名前を呼びながら、もう一度口づけた。
 柔らかい。この柔らかさの中に包まれるのを想像して、己のものが硬くそそり立っていくのを感じた。おれが今、おれの舌で犯しているこの可憐な唇を、もうすぐ勃起したペニスが蹂躙するのだ。そう思うと、ただのキスがひどく背徳的なものであるような気がした。
 咲の名前を何度も呼び、耳元で可愛いよ、とささやく。そのたびに、咲がくすぐったそうに身体をよじる。表情が緩み、夢見るような目つきへと変わっていく。
 可愛い咲。
 嘘ではない。ほんとうに、心からの言葉。けれど、おれは隠している。おれは、その可愛いお前を、滅茶苦茶にしてしまいたいと思っていることを。その可愛い顔を、思い切り歪ませてやりたいのだと思っていることを。
 好きだよ、咲。
 大好きだ。
「嬉しい……ご主人さま、嬉しいよ。あのあのっ……、あたしも、大好きだよ」
 顔を真っ赤にして呟く咲。見上げる目はうっとりと潤み、濡れた唇からは熱っぽい吐息が洩れている。咲も興奮しているのだ。
 おれはそっと咲の膝に手のひらを置き、太ももへとすべらせた。まるで本物の少女のように、なめらかな咲の肌。その手触りを楽しむように、何度も撫でる。フリルのついたスカートの中へ手を差し入れると、咲が小さく身じろぎした。
 両脚の付け根の膨らみを、そっと撫でる。薄い下着の布越しに、硬く張ったそれの感触があった。
「あ……ん、そこ……は」
 恥ずかしいよ、と消え入りそうな声で呟いて、抵抗するように膝を閉じようとする咲の顔を、下からのぞき込むようにじっと見つめる。咲が目をそらすのを、ダメだ、と命じてこちらに向けさせた。
 さあ。きちんとおれの目を見て、自分の何がどうなっているのかを言うんだ。
「その、あたしの……が、おっきくなってる……からぁ」
 うん?
 よく聞こえないな。
 ほら、もう一度。
「あたしの、おちんちん……おっきくなってるの」
 へえ。咲は女の子なのに、おちんちんがあるんだ。
 おかしいなあ、と下着越しにきゅっとそれを握る。ひぁ、と咲が上ずった声をあげた。亀頭を包むように握り込み、ふにふにと指先に力を入れる。咲の唇が酸欠の金魚のようにぱくぱくと動き、声とも吐息ともつかぬものがそこから洩れた。
 どうした、痛いのか。
 訊ねても、咲は答えなかった。かわりに、いやいやをするように小さく首を振った。
 言わなきゃわからないな。
 止めて欲しいのか?
 咲が首を振る。
 手の動きは止まることなく、下着越しに咲の硬くなったものを愛撫し続けている。僅かに浮いた咲の腰が、おれの指の動きに合わせてもじもじといやらしく動く。人差し指で先端の穴をほじるように弄ってやると、ぞくりと咲は背筋を反らせて甘い鳴き声をあげた。
「んぁっ! あ……ぁ、はぁあっ……ん!」
 ほら、どうした。
 よがってばかりじゃわからないぞ。
 おれは布地ごと咲のそれを握り、力いっぱいしごいた。
「ひぁあっ! やぁっ、だめ……ぇ、シコシコっ……だめだよぉっ!」
 腰を引こうとする咲をぐっと抱き寄せ、強制的に手コキしてやる。腕の中で、釣り上げられた魚のように、咲の身体がぴちぴちと跳ねた。だらしなく開いた唇から、苦しげな吐息と共に涎が雫となってこぼれ落ちる。
「きもちっ……いい、いいよぉ、ご主人さまっ……ぁ! あぁっ……ん!」
 快楽が羞恥を上回り、ラディカルな肉の悦びが理性を上書きして塗りつぶしていく。とろけきった咲の顔は、肉体の奥に隠された淫らな欲望を貼り付かせ、天使から淫魔へと変貌していた。それでいて、咲の可愛さは少しも損なわれていない。いや、この淫蕩な表情こそが、さらに咲の可愛さを引き立たせているとも言えた。
 可愛い咲。
 さあ、正直に言えたご褒美をやらないとな。
 おれは咲のスカートをめくり上げ、その中に潜り込んだ。
 むっとした熱気が、顔に触れた。
 香水の甘い匂いと、汗と、そして蒸れたペニスの匂い。
 それらが、混ざり合っておれの鼻孔をくすぐった。
 深く吸い込むと、くらくらと頭の奥がしびれてくるような気がした。ドラッグを決めてハイになるというのは、こんな感じなのかもしれない。
 布地の少ない可愛らしい女物のパンツの中で、それは窮屈そうに膨らんで上を向いて反り返っていた。
 押し上げられた布地に、カウパーがじっとりと染みを広げている。濡れた布地が亀頭に貼り付いて、その形状をくっきりと浮かび上がらせていた。
 パンツに手をかけ、脱がしていく。膨らみに引っかかってスムーズにはいかなかったが、ようやく脱がすことができた。
 ぷるん、とパンツに押さえつけられていた咲のペニスが、自由を得て飛び出してきた。
 それは、ひどく不思議な光景だった。
 おれはしばらく、目の前の咲の姿に、時間を忘れて見とれていた。
 頭の中ではわかっていることが、見えているものと結びつかない。声も、仕草も、顔も、いつもの咲はどう見ても女の子なのに、今こうしてスカートの中から見えている咲の肉体は、男のそれなのだ。雄々しく天を衝き、幾筋も青筋を浮かばせ脈動するそのシンボル。アンバランスで、歪な光景。だというのに、その不調和が強くおれの心を揺さぶった。ズボンの中で、自分のペニスが痛いほどに勃起しているのがわかった。興奮している。咲のこの、少女とも少年ともつかない肉体に、狂おしいほどに欲情している。この肉とおれの肉を触れあわせ、ひとつに溶け合うことに惹かれている。
「ご主人……さまぁ」
 切なげな咲の声。そうだ。咲も、そうなのだ。おれと溶け合うことを望んでいる。
 おれは、目の前にある咲のそれを口に含んだ。塩気の混じった生あたたかい温度。むさぼるようにしゃぶりつき、舌を這わせて舐め上げた。咲が腰を浮かせるようにびくんと身悶え、甘い官能の吐息を唇から吐き出した。
「あぁん! ひぁっ……ぁ、ご主人さまが、あたしのっ……舐めてる」
 ああ、そうだ。
 お前のちんぽをしゃぶっているぞ、咲。
 どうだ、しゃぶられるのは。
 気持ちいいんだろう。
 鼻にかかった甘い鳴き声が、耳に届いてくる。はじめて聞くお前の声だ。感じている時のお前は、こんなにもいやらしい声で喘ぐのか。
 それはまるで、鼓膜から浸透してくる媚薬のように、おれの中心を内側から刺激する。
 じゅるるっ、じゅぷ、ちゅぱ、ちゅぱ。
 次々と溢れてくる唾液をたっぷりと絡ませ、音を立てて啜り上げる。
 口の中に溜まったその汁を、ごくごくと喉を鳴らして飲み干す。
 ああ。
 うまい。
「あはぁ……ご主人さま、ヘンタイさんみたいっ……夢中であたしのしゃぶって……そんなにあたしのおちんちん、おいしいのっ……かな」
 咲が、ペニスを頬張るおれを、熱っぽく潤んだ目で見下ろす。口の中の咲自身がさらに硬度を増し、びくびくと脈打つ。倒錯した行為に、咲も興奮しているのだ。
 変態だろうが、なんだろうが、構うものか。
 うまいものはうまい。
 おれは、口いっぱいにくわえた咲のそれを、舌全体で舐めるように味わった。
「あっ……ん! はぁっ…・・ぁ、ひぁっ……んんっ!」
 おれの舌の動きにあわせて、咲の唇からくぐもった喘ぎが洩れる。官能の声。肉の中に湧き出る快楽が、抑えきれず溢れ出した吐息。
「あのあのっ、ご主人……さまぁ、あたしも……してみたい」
 咲の手がおれの股間に伸びて、はちきれそうになっている膨らみに触った。
 体の位置を入れ替えて、今度はおれの股間に咲が顔を埋める番になった。
「わー、わー、あたしのよりおっきい? それに、かたちも違うし」
 興味津々といった感じで、握ったおれのイチモツをしげしげと眺める咲。顔を近づけるたびにかかる吐息がくすぐったい。
 そんな咲の頭にぽんと手を置いて、おれは命じた。
 さあ、咲。フェラをする前には、きちんと挨拶をしなきゃな。
「うんっ……、ではでは、ご主人さまぁ……ご奉仕させていただきます」
 潤んだ目でペニスにそう語りかけ、咲はおれのものを口に含んだ。心地よい温度がおれを包んでゆく。おもわずうめき声が洩れ、ぞくりと背筋が震えた。
「んっ……んん、ちゅぱっ……れる」
 頬張ったそれに、咲がおそるおそる舌を這わせる。唇とはまた違う感触がおれを舐め上げ、痺れるような快感が腰から背骨へと突き抜けてゆく。
「んふぅ……れるっ、ちゅく……くちゅっ、ちゅぱっ、じゅるるっ」
 はじめはぎこちない動きだったのが、すぐにツボを捉えた動きへと変わっていった。ペニスのどこをどうされれば感じるのかを知っているからだろう。気持ちいいよ、と素直に褒めながら、咲の頭に置いた手でそっとやさしく撫でてやる。
「あむっ……んん、んふっ……ちゅぱ、じゅるるっ、ちゅく」
 咲の方も興が乗ってきたのか、大胆に口穴全体を使ってしゃぶりついてきた。
 いい顔だぞ、咲。
 おれのチンポを熱心にしゃぶって、ずいぶんとうまそうに舐めるじゃないか。
 可愛いおまえのほっぺたが、おれのものに吸いつくたびにふくらんだりへこんだりする。
 いい眺めだ。
 陰毛の茂みの向こうから、熱に浮かされたようなおまえの目がおれを見返してくる。
 うっとりととろけたような目つき。
 興奮しているんだろう。
 めくれあがったスカートの中から、大きく反り返ったおまえのものが見えている。
 さっき、おれがしゃぶっていた時よりも、もっと硬くさせているんじゃないか。
「はふぁ……ご主人、さまぁっ……」
 咲が口を離し、切なそうな声でおれを呼んだ。
 おれだって、もう我慢できない。
 咲を犯したい。犯して、おれのものにしたい。おれのこのはち切れそうなものを咲の中にぶち込んで、滅茶苦茶にかき回してやりたい。
 おれは咲の身体に覆いかぶさり、膝の裏をつかんでぐいっと両脚を広げさせた。
 裏返しになった咲のペニスと陰嚢のそのさらに下に、きゅっとすぼまった可愛らしいアヌスが見えた。
「やぁ……ご主人さま、じろじろ見ちゃ恥ずかしいよぉ……」
 そう言いながらも、咲のそこはヒクヒクと物欲しそうに収縮を繰り返している。
 ずいぶんといやらしい穴だ。
 いや、いやらしいのは咲自身か。
 今だって、こうしてあられもない姿をおれに見られて、触れてもいないのに、ペニスの先端からカウパーを溢れさせている。
「やだやだっ、そんな意地悪言っちゃ、ぷぅーだよぉっ……ぁん!」
 おれはローションをたっぷり塗りつけた先端を、ぐりっと咲の尻穴に押し当てた。そのまま、腰を落として咲の内へと犯し入っていく。そこは狭く閉じていたが、力を入れるとおれを迎え入れるように広がり咥え込んでいく。まるで、はじめからこうされるためにあった器官であるかのように、隙間なく満たされた肉の洞穴。
「あぁあ……は……ぁ! あぁひっ……ふぁあう!」
 押し込まれた分だけ、なにかを吐き出すように、咲が甘い鳴き声をあげる。
 ずっぽりと根元まで咥え込ませ、おれは大きく息を吐いた。
 たまらない征服感が、ぞくぞくとおれの中を駆け巡る。
 はは。
 どうだ、咲。
 尻穴でおれのペニスを咥え込んだ気持ちは。
 さあ、動くぞ。
 おれのものをしゃぶれ。
 ケツの穴で、おれのものをしゃぶってみろ。
「はひぁっ! あはぁ……ぅ、はひっ…ぁ、んぁあっ……!」
 腰を振るたびに、咲の顔が歪み、官能的な悲鳴が唇からこぼれ出してゆく。ぱつん、ぱつんと肉が肉を打つ音がリズムを刻み、その上に、咲の喘ぎ声が淫靡な旋律となって重なってゆく。
「んっ! んんっ! んはっ、あぁっ……あひぅ!」
 いいぞ、咲。
 いい声で鳴くじゃないか。
 それに、この尻穴の具合のよさはどうだ。
 おれのものを、きゅうきゅうと締め付けてくる。
 とんでもない名器だぞ、おまえのケツの穴は。
「ふぁぁ……ぁ、ほんと……ぉ? ご主人さまぁ、あたしのっ……なかぁ、きもちいい?」
 ああ、本当だとも。
 最高に気持ちいいよ、咲。
「あはっ……うれし……んん! あっ……ぁ! あぁは、はっ……ぁ!」
 絡みついてくる肉の中を、思い切り動く。
 もう、狂ったようになっていた。
 獣のような吼え声が聞こえる。それが自分自身の声だと気づくこともなく、おれは無我夢中で咲を犯した。もっと、もっと。もうそれしか考えられなかった。咲の体温を感じて、うねる肉の中をかきまわして、咲のよがり声に酔いしれて、咲をすべて、おれのものにしたい。
 いくぞ、咲。
 おれは大きく腰をグラインドさせながら、咲のものを握った。
「ひぅんぁっ! あぁっ……ひ……ぁ、ふぁぁああひ!」
 たっぷりとカウパー濡れたそれをシコシコとしごきながら、裏側をごつごつと突き上げる。咲の喘ぐ声が一段と高くなり、絶叫に近いものになった。くしゃくしゃに歪んだ咲の顔。涙と唾液が幾筋も頬のラインをなぞり、シーツの上にしみを広げてゆく。
「イッちゃ……ぁ、イクっ……んんぅ! ご主人っ……さまぁ、出ちゃぅ、咲のミルクでちゃぅ……よぉ……!」
 ああ。
 イッてみせろ。
 我慢なんてしなくていい。思い切り盛大に射精して、残らず出しつくしてしまえ。
「うんっ……ぅん、あぁあ……ぁ…ぁい……ぐぅううんはぁああっ!」
 これまでとは違う太い叫び声が、咲の喉から迸った。同時に、握った咲の先端から弾丸のように精液が飛び出して、咲自身の顔を打った。
 同時に、おれも咲の中で果てた。
 背骨を丸ごと引っこ抜かれるような、すさまじい射精だった。
「あぁは、はぁっ……んんぁ……はひっ……ぅぁ!」
 びゅくびゅくと咲のペニスから白濁液が溢れ、咲自身を汚してゆく。たまらない眺めだった。出ていった分を補給しようとでもするように咲のアヌスがヒクヒクと痙攣し、おれは搾り取られるままにたっぷりと咲の内側に吐精した。
 全てを吐き出して、ゆっくりと怒張がその硬さを失ってゆく。
 おれは咲自身の汁をたっぷりと絡みつかせた指先を、放心したように惚けている咲の前に差し出した。咲は猫のように舌を出して、ぴちゃぴちゃとそれを舐めると、うっとりとまた夢見るような目つきになって、熱く潤んだ瞳でおれを見上げた。
 いい子だ、咲。
 可愛いよ。
 おれは、咲の頭を優しく撫でてやった。
 夜はまだ長い。
 さあ、二回目をしようか。


 END