■ 第74期名人戦
第74期名人戦七番勝負は挑戦者の佐藤天彦八段が4-1で制し、名人位を獲得しました。
佐藤先生はいつかタイトルホルダーになるだろうと目されていた期待の若手でしたが、初タイトルが名人になるとは。なんだか森内先生を連想してしまいます。
そういえば新名人の誕生はその森内先生以来14年ぶりだとか。名人位といえば長いこと羽生先生か森内先生だったですが、今期ついにその牙城が崩れたのですね。
棋界には佐藤姓が多いですが、佐藤天名人と表記されるとなんだかアマ名人みたいに聞こえちゃいそう。
ともあれ、この名人位獲得を機にさらなる活躍を期待したいと思います。
■ 第65期王将戦 第六局
第65期王将戦は郷田王将の防衛となりました。
先手が先に攻めて駒得になりましたが、勝ったのは後手。
38手目の局面など見るとお互いの攻めの形はほぼ一緒で、玉の囲いが後手のほうがひとつ端に寄っていて、先手は端歩をひとつ突いています。
ほとんど同じ陣形からほんの僅かの違いや一手の損得で勝敗が分かれるというのが将棋の面白さでもあり、難しさですね。
トップ棋士として長く活躍されてきた郷田王将ですが、意外にもタイトル戦の防衛はこれが初。
今期は順位戦でA級から陥落するという苦難もありましたが、終わり良ければということでこの王将戦防衛を来期の活躍に繋げていってほしいと思います。