2012年9月5日

■ 第60期王座戦第二局

王座戦第二局は後手番の羽生挑戦者がまさかの角交換四間飛車を採用。藤井九段が近年愛用し、つい先日まで戦っていた王位戦の羽生―藤井戦でも主力だった作戦を、今度は羽生二冠が使ってきました。
今局は途中から後手が手待ちを繰り返し、先手はじっくりと穴熊に組むという展開に。角交換四間飛車はそもそも手損を甘受する作戦ではありますが、さすがにこれだけ手損を重ねて、かつ居飛車側は思う存分穴熊の堅陣を組み上げたとなれば、普通はもう居飛車の勝ちとしたもの。
のはずなんですが、終わってみれば後手の羽生挑戦者が勝利。いや、将棋とは不思議なものですね。序盤は先手作戦勝ちだったはずなのですが、一体どこでひっくり返ったのか。通常の振り飛車のように飛車角をさばいていくのではなく、にらみを効かせてじっくりと押し込んでいく指しまわしも印象的でした。
ともあれ、これで星勘定は一勝一敗のタイに。先手番を取り合った名人戦とは正反対に、お互い後手番を取り合う展開。どっちが先にリーチをかけることになるのか、次局も楽しみです。