
■ 第60期王座戦第1局
第60期王座戦が開幕しました。
戦型は矢倉模様の立ち上がりから急戦に。最後は即詰みに討ち取って、後手の渡辺王座が勝利。
いやそれにしても難解な将棋でした。なんというかもう対局者の二人にしか分からない世界に入ってる感じ。ぼくのような級位者レベルには局面の優劣どころか指し手の意味すらさっぱりです。
ともあれ渡辺王座は振り駒で後手番を引きながらも白星スタートということで、初防衛に向けて好調な立ち上がり。
王座戦は三勝先取とやや短い棋戦ですし、次局で一気に王手をかけるのか、あるいは羽生挑戦者がタイに持ち込むのか。目が離せない戦いになりそうです。
第53期王位戦は今日で決着。
羽生王位が4-1で挑戦者藤井九段を退け、防衛を決めました。
うーん、フルセットまでもつれる展開が見たかったですが、やはり壁は厚かったでしょうか。内容的には非常に面白い将棋が続いていたので、ここで終わってしまうのはちょっともったいないというか、食べ足りない感じが。
それにしても振り飛車党受難の日々なこの時代。次に対抗型のタイトル戦を見られるのはいつになるやら。
■ 第53期王位戦七番勝負 第1局
さて、今日から王位戦が開幕しました。
やはり注目は挑戦者の藤井九段がどのような作戦を用いてくるかというところでしたが、まずは近年採用の増えていた角交換振り飛車を第1局に持ってきました。
この角交換振り飛車、角道を止めないで飛車を振るというものなのですが、一旦四間に振って自分から角交換し、その後再び振り直すという独特な手順。いわば手損のオンパレードで、かつての常識からは考えられなかった戦法と言えるかもしれません。現代将棋の大きな特徴の一つに手損に対する意識の変化があると言われますが、一手損角換わりがその嚆矢だとすれば、角交換振り飛車は一つの極北であるかもしれません。
盤上は一日目ということもあってゆっくりした展開でしたが、封じ手間際になって藤井先生の42銀引という大胆な構想が出て、それを受けた羽生王位が74歩と戦端を開きました。もはやお互いに構えた切っ先が頬に触れるような緊張感のある局面で、明日は封じ手から大注目の戦いになりそうです。