
■ 第24期女流王位戦、決着
第24期女流王位戦の最終局、途中までは後手甲斐挑戦者のゴキゲン中飛車に里見王位が丸山ワクチンで対抗するという、第一局と同じ進行に。
その将棋は先手の角打ちから端攻めの構想がうまく決まり里見王位の快勝だったのですが、今局は後手の甲斐挑戦者が新手を出して優勢に。王位も終盤追い上げましたが最後は甲斐さんの強靱な受けが上回り、3-2で二年ぶりの復位を決めました。
シリーズ通して見てもやはり里見王位の攻めに甲斐挑戦者の受けという構図が多かった気がします。女流棋士は攻めの棋風が多い中で、受け将棋の甲斐さんは独特ですね。今局も含め、その持ち味が十二分に発揮されたシリーズだったと思います。
あ、そういえば中継ブログで森内名人が「森内眼棋神」と謎の称号になってたのがちょっとツボでした。いやタイプミスだとは思うんですが、眼棋神。なんかすごそう。
■ 第71期名人戦
第71期名人戦第五局、後手番の森内名人が勝って4-1で防衛を決めました。
相矢倉で先手指せるとされている定跡の進行だったのですが、森内名人が新手を出してそこから徐々に後手良しに。
今局も含めて、途中で手にした僅かなリードを確実に勝ちに繋げ、逆転を許さない名人の堅実な指し回しが光ったシリーズだったと思います。
取られそうだった桂が25へタダのところに飛んで、そこから成桂になって銀を取るんだからすごいですね。86歩からの継ぎ歩と垂れ歩もなんというか王道な攻めで、最後は金を取らせて飛車を成り込む鮮やかな寄せ。勝ち将棋鬼のごとしと言いますが、将棋はこうやって勝つんですよという見本のような感じでした。